米国の早期撤退観測と中東情勢の行方

米国の早期撤退観測と中東情勢の行方

トランプ米大統領は、米国がイランとの戦争から近く離脱する可能性が高いとの見方を示し、期間としてはおおよそ2~3週間以内を想定していると説明しました。軍事的な目的は概ね達成されたとの認識を示し、イランが核兵器を保有しない状態が確保されれば、合意の有無にかかわらず撤退する意向を明らかにしています。

この発言により、市場では戦争終結への期待が広がり、株価は上昇する一方で原油価格は下落する場面が見られました。S&P500種株価指数は上昇し、WTI先物は一時的に大きく値を下げ、1バレル=100ドルを割り込む動きとなりました。ただし、ホルムズ海峡の封鎖が長引く場合には、原油価格が再び上昇する可能性も指摘されています。エネルギー市場調査会社の分析では、封鎖が6~8週間続けば、価格が150ドルから200ドルに達する可能性もあるとされています。

一方で、米国の姿勢には変化が見られます。ホルムズ海峡の再開については、もはや米国が主導する問題ではないとの立場を示し、海峡を利用する各国が自ら対応すべきだとの考えを強調しました。SNSでも同様の主張を展開し、エネルギー確保について各国の自助努力を求めています。こうした発言の背景には、同盟国の支援不足に対する強い不満があるとされています。

関係者の話によれば、北大西洋条約機構(NATO)加盟国を含む一部の同盟国が、戦争終結に向けた決定的な支援を行っていないことに対し、米政権内で不満が高まっているとのことです。実際、欧州諸国の中には関与を避ける動きもあり、スペインが米戦闘機の領空通過を制限し、イタリアも米軍機の基地利用を拒否するなど、米欧関係の緊張が強まる兆しが見られます。

また、戦争が続く中で米国内にも影響が出ています。ガソリン価格は平均で1ガロン=4ドルを超え、2022年8月以来の高水準に達しました。これは中間選挙を控える中で、政権にとって無視できない政治的リスクとなっています。

外交面では、米国防長官がイランとの協議について「進展している」との認識を示しつつも、合意を引き出すために軍事的圧力を維持する方針を明らかにしています。一方で、大統領の発言には、外交進展への期待と軍事行動拡大の示唆が混在しており、方針の揺れも指摘されています。

イラン側も一定の柔軟姿勢を見せています。イラン大統領は欧州連合(EU)側との電話会談で、戦争終結に向けた意思を表明しましたが、再発防止の保証など複数の条件を提示しており、実際の立場変化かどうかは不透明です。

現地では軍事的緊張が続いており、イランはイスラエルや湾岸諸国への攻撃を継続しています。ドバイ沖では大型タンカーが攻撃を受けるなど、海上輸送への影響も深刻化しています。米国とイスラエルも攻撃を続けており、外交的な打開の兆しは依然として限定的です。

さらに、中国とパキスタンは、敵対行為の即時停止を含む和平に向けた枠組みを提案しており、国際的な停戦圧力も高まりつつあります。

こうした中、トランプ大統領はイランの軍事的能力は大幅に低下したと評価し、それが結果的にホルムズ海峡の再開につながる可能性があるとの見方を示しました。現状については持続不可能との認識も広がっており、米国とイランの双方が戦争の出口を模索しているとの見方が強まっています。