来週の見通し

■市場日経225先物の見通し

5月30日の米株式市場では、ダウ平均が前日より54.34ドル高い42,270.07ドルとなった一方で、ナスダックは62.10ポイント安の19,113.77で取引を終えました。トランプ大統領が自身のSNSで「中国は米国との合意を完全に破った」と投稿したことがきっかけとなり、米中対立への懸念が再び強まったため、主要3指数はまちまちの展開となりました。この影響で、大阪取引所のナイト・セッションにおける日経225先物は、日中の終値より280円安い37,680円で取引を終えました。

日経平均株価はおよそ3か月ぶりの水準まで回復しましたが、38,000円台半ばでは上値の重さが目立ちました。昨年9月から今年3月にかけて下値を支えていた38,000円付近が、現在は上値の抵抗として意識され始めているようです。また、戻り売り圧力が強まっているうえ、米国の関税方針が不透明であることから、大型株に対する積極的な買いが入りにくい状況です。週末のプライム市場における売買代金は6.5兆円と大きく膨らみましたが、これはMSCI指数の定期的な見直しに伴う機関投資家の売買によるもので、実際の取引は閑散としたままでした。

一方、個人投資家を中心に中小型株への関心が高まっており、グロース市場250指数は昨年3月末以来の水準に上昇、スタンダード指数も2022年4月の算出開始以降で最高値を更新しました。短期的な資金の出入りで価格が大きく動く銘柄もありますが、全体として投資家心理は悪くないように感じられます。

■為替市場の見通し

来週のドル円相場はやや伸び悩む展開になるかもしれません。トランプ政権が実施した高関税政策について、米国際貿易裁判所が5月28日に差し止めを命じた一方で、翌29日には控訴裁判所がこの判断を一時的に停止し、関税措置を再び有効とする判断を示しました。このように政策の先行きが不透明な状況では、各国が早期に合意に踏み切るのは難しく、為替市場でのリスクを取る動きはやや控えられる可能性があります。

また、トランプ政権による財政拡張政策により、米国債の信用力に対する懸念も根強く残っています。米国債、米国株、ドルの3つすべてが下落する可能性が意識されており、リスク志向によるドル買い・円売りを抑える要因となりそうです。

赤澤亮正経済再生担当大臣が4回目となる日米閣僚交渉のため訪米していますが、合意が実現するとしても、早くて6月15日から17日に開催されるG7サミットが目途となりそうです。このため、当面は様子見ムードの強い相場が続くと見られます。また、週末にトランプ大統領が鉄鋼関税を25%から50%へ引き上げる意向を示したこともあり、変動する米国の関税方針が引き続き大型株への重しとなりそうです。今後発表予定の5月の米雇用統計などを見極めたいという投資家の姿勢もあり、やや慎重な展開が予想されます。

6月中旬までは、スタンダード市場やグロース市場の銘柄に短期資金が流れ込みやすく、値動きに注目が集まりそうです。

週末時点での米10年債利回りは1.5%前後で推移しており、5月28日に実施された40年物国債の入札では、最高落札利回りが年率換算で3.135%と過去最高となりました。財政悪化への懸念から国債への需要が低下し、市場では新発の40年債利回りが上昇しており、金利市場にも注目が集まっています。金利上昇が続けば、為替市場ではドル安・円高に動く可能性もありますが、一方で地方銀行株などには相対的な強さが期待できそうです。