CME USD/JPY Option Daily Watch【2026.9.15(火) データ基準】

CME USD/JPY Option Daily Watch【2026.9.15(火) データ基準】

1.CMEドル円オプション市場の現在の状況

CME Japanese Yen Optionsの建玉(Open Interest)データを確認すると、Call OI合計は77,580枚、Put OI合計は64,133枚となっており、Call優位の構図が続いています。全限月・全Strikeを通じて最も建玉が厚いのは158.73円(CME Strike 6300)で、Total OIは11,770枚に達し、その大部分(9,812枚)をPutが占めています。分析時点のドル円参照値は153.75円としており、これは直近に確認できた銀行公表相場(9月1日終値160.00円から9月9日にかけて153円台まで円高が進行した推移)をもとにした作業用の値で、CMEファイル取得時点のライブティックではない点をあらかじめお断りしておきます。

2.満期別のCall/Put建玉

Expiration Type Call OI Put OI Total OI Put/Call Ratio
DEC 26 Monthly 28,315 14,593 42,908 0.52
OCT 26 Monthly 18,951 22,349 41,300 1.18
NOV 26 Monthly 11,547 8,268 19,815 0.72
Weekly Friday Week3(9/18満期) Weekly 6,041 8,410 14,451 1.39
MAR 27 Monthly 3,064 1,272 4,336 0.42
Weekly Wednesday Week3(9/16満期) Weekly 938 1,644 2,582 1.75
Weekly Thursday Week4(9/24満期) Weekly 15 2,504 2,519 N/A

Total OIで見ると12月限(DEC26)が最大で、次いで10月限(OCT26)です。10月限だけはPut優位(P/C比1.18)となっており、他の主要限月とは色合いが異なります。直近満期の週次オプション(9/18満期のWeekly Friday)にも14,451枚と、月次に匹敵する規模の建玉が集中している点が目を引きます。

3.主要Monthly Optionsの詳細分析

DEC26(総建玉42,908枚、最大限月)
最大Call OIは147.06円(CME6800)で7,795枚、次いで125.00円(CME8000)に6,048枚と、いずれも現在値から大きく離れた「円高方向」のCallに建玉が集中しています。年末にかけて相応の円高進行を想定したポジションまたはヘッジが積み上がっていると読めますが、これが新規の買いなのか既存ポジションの継続なのかは今回のデータからは判別できません。Put側は163.93円(CME6100)の2,057枚が最大で、Call側ほどの偏りは見られません。

OCT26(総建玉41,300枚)
最大Put OIは163.93円(CME6100)で3,356枚、次いで156.25円(CME6400)に3,264枚。最大Call OIは161.29円(CME6200)の3,099枚です。10月限は156.25円〜163.93円という現在値より上のレンジに厚みがあり、Put優位の構造と合わせると、この限月では円安方向(ドル高方向)への警戒的なポジションが相対的に多いことがうかがえます。

NOV26(総建玉19,815枚)
最大Call OIは157.48円(CME6350)の2,377枚、最大Put OIは158.73円(CME6300)の2,603枚と、157円台後半〜158円台に建玉が集中しています。

4.Weekly Optionsの特徴

Weekly Optionsの中では、9月18日満期のWeekly Friday Week3が突出して大きく、Call 6,041枚・Put 8,410枚の合計14,451枚。中でも152.67円(CME6550)はCall 3,768枚・Put 2,545枚と、このゾーンだけで6,313枚を占めています。満期まで3日という近さもあり、直近の値動きに対して最も感応度が高い建玉として注視が必要です。なお、9月15日満期だったWeekly Tuesday Week3のCall建玉(151.52円・150.94円・153.26円など)は前日比で大きく減少していますが、これは満期到来によるOI消滅であり、手仕舞い売りではありません。

5.Strike別の最大建玉

Expiration Max Call Strike Call USD/JPY Call OI Max Put Strike Put USD/JPY Put OI
DEC 26 6800 147.06 7,795 6100 163.93 2,057
OCT 26 6200 161.29 3,099 6100 163.93 3,356
NOV 26 6350 157.48 2,377 6300 158.73 2,603
Weekly Fri Wk3(9/18) 6550 152.67 3,768 6550 152.67 2,545

全限月を横断した最大建玉Strikeは158.73円(CME6300、Total OI 11,770枚)で、Put OIが9,812枚と全体の8割超を占めます。

6.OI Changeから見えるポジション変化

Strike USD/JPY Prior OI Current OI OI Change Change %
6475(Weekly Fri Wk3 Put) 154.44 230 816 +586 +254.8%
6700(NOV26 Call) 149.25 1,955 2,182 +227 +11.6%
6400(OCT26 Put) 156.25 3,084 3,264 +180 +5.8%
6450(OCT26 Put) 155.04 1,417 1,243 -174 -12.3%

最も目立つのは154.44円Put(Weekly Friday Week3、9月18日満期)の+586枚(前日230枚→当日816枚)です。満期までわずか3日というタイミングでの急増であり、直近の相場水準に対するヘッジ、あるいは短期的な思惑的ポジションの積み上げが考えられますが、これをもって「新規の円安警戒売り」と断定することはできません。OCT26の156.25円Putが増加する一方で155.04円Putが減少しており、隣接Strike間での建玉の移動も見られます。

7.ドル円の重要オプションゾーン

建玉とGamma(後述)を総合すると、現在値153.75円を挟んだ152.67円〜158.73円ゾーン(CME Strike 6550〜6300)に最も厚みのある建玉集中が確認できます。このゾーンの外側では、147.06円付近(DEC26のCall集中、9,306枚)と161.29円〜163.93円付近(OCT26中心のPut集中)に、それぞれ第二の建玉集中帯が存在します。

8.Gamma分析

ファイルにはImplied VolatilityおよびExact Expiration Dateが存在しないため、Gammaはすべて仮定条件下のモデル推定値です。満期日はCME標準の満期慣行(月次:満期月第3水曜日の2営業日前、週次:該当曜日の当該週)からの近似計算であり、正確な満期時刻はCME公開データ上では確認できません。モデルはEuropean Style前提のBlack-76を採用し、IV8%/10%/12%の3シナリオで算出しました。現在値153.75円を基準とした場合、Gammaが最も高くなるのは近接満期・近接Strikeである152.67円(Weekly Friday Week3)、次いで153.85円、156.25円の順です。

9.GEX分析

Gamma×Open Interestを基本としたGross GEX(IV10%シナリオ基準、CME契約乗数や実ドル建て換算は行っていないStrike間の相対比較用指数)は以下の通りです。

区分 値(相対指数)
Total Call Gross GEX 3,931.0
Total Put Gross GEX 3,400.5
Net Signed GEX(Callを+、Putを-とする分析上の仮定) +530.5

符号(Call=+、Put=-)はあくまで分析上の仮定であり、実際のディーラーポジションの買い・売りを示すものではありません。Gamma集中Strike別に見ると、152.67円がGross GEXで突出して大きく(1,638.7)、次いで154.44円(678.8、ただしPut優位で符号はマイナス)、153.85円(655.7、Call優位でプラス)と続きます。

10.現在のドル円市場で意識されやすいStrike

Strike USD/JPY Call OI Put OI Total OI Call OI Change Put OI Change Gamma順位(IV10%) Gross GEX Signed GEX
6300 158.73 1,958 9,812 11,770 -15 +32 6位 464.4 -288.1
6550 152.67 5,558 4,392 9,950 +61 -11 1位 1,638.7 +236.9
6200 161.29 3,612 5,959 9,571 0 +42 11位 260.8 -69.4
6800 147.06 9,306 94 9,400 -18 -1 8位 313.6 +308.1
6400 156.25 4,770 4,354 9,124 +1 +180 4位 619.4 -11.0
6500 153.85 6,625 1,105 7,730 +5 +4 3位 655.7 +357.5
6100 163.93 9 6,091 6,100 0 0 15位 95.5 -95.1
6700 149.25 6,099 1 6,100 +236 0 10位 270.3 +270.2
6600 151.52 4,601 82 4,683 -338※ +1 9位 286.6 +274.7
6150 162.60 27 4,183 4,210 0 0 16位 87.4 -86.3

※6600のCall OI Changeは、同Strikeの週次オプション(9/15満期のWeekly Tuesday)が当日満期消滅したことによる見かけ上の減少で、実質的な手仕舞いではありません。

11.Resistance/Support候補

Resistance候補(現在値153.75円より上、円安・ドル高方向)
156.25円(Total OI 9,124枚)、158.73円(Total OI 11,770枚、全Strike中最大、Put比率83%)、161.29円(Total OI 9,571枚、Put比率62%)、163.93円(Total OI 6,100枚、ほぼPutのみ)が候補として挙げられます。特に158.73円は建玉規模・Gamma双方で意識されやすい水準です。

Support候補(現在値153.75円より下、円高・ドル安方向)
152.67円(Total OI 9,950枚、Gamma最大)、151.52円(Total OI 4,683枚、Call比率98%)、149.25円(Total OI 6,100枚、ほぼCallのみ)、147.06円(Total OI 9,400枚、Call比率99%、DEC26中心)が候補です。

いずれも巨大建玉=必ずその価格まで動く、という意味ではなく、あくまで市場参加者に意識されやすい価格帯の候補としての位置づけです。

12.今後注目すべきStrike

  1. 152.67円:現在値から約1円という近さに加え、Gamma集中度・Gross GEXともに全Strike中最大(1,638.7)。9月18日満期の週次オプションが中心であり、直近数日のドル円の値動きに対して最も感応度が高いポイントです。
  2. 153.85円:現在値にほぼ一致するAt-the-moneyのStrikeで、Call OI 6,625枚と厚みがあり、Gross GEXも655.7と上位に位置します。
  3. 158.73円:全Strike中最大のTotal OI(11,770枚)を持ち、Put比率83%。円安方向で意識されやすい候補です。
  4. 156.25円:Call・Put双方に建玉が拮抗(4,770枚/4,354枚)し、Gross GEXも619.4と高水準。前日比でもPutが+180枚と増加しています。
  5. 147.06円:DEC26限月を中心にCall建玉が9,306枚と極端に集中しており、年末にかけての円高シナリオを想定したポジション・ヘッジの目印として注目されます。

13.オプション建玉を相場分析に利用する際の注意点

本レポートで示したOI・Volume・OI ChangeはCME公開データに基づく実測値ですが、Gamma・GEXはIVの実測値が取得できないため、複数のIV仮定に基づくモデル推定値です。またOIの増減を「新規買い」「新規売り」と断定することはできず、巨大な建玉が存在するからといって相場が必ずその価格まで到達する、あるいはその価格で反転するとは限りません。Signed GEXの符号(Call=+、Put=-)も実際のディーラーポジションを示すものではなく、分析上の便宜的な仮定です。オプション建玉データはあくまで相場分析の一つの材料として、他のテクニカル・ファンダメンタルズ分析と組み合わせて活用することをおすすめします。

14.まとめ

今回のCMEデータからは、現在値153.75円を挟んだ152.67円〜158.73円ゾーンに建玉とGammaが最も厚く集中していることが確認できました。中でも152.67円は満期3日前の週次オプションを中心にGamma集中度が突出しており、目先の値動きに対する感応度が最も高いポイントです。一方、年末限月(DEC26)では147.06円・125.00円という現在値から大きく離れたCallに建玉が積み上がっており、より長い時間軸での円高シナリオが意識されている可能性があります。今後はこのCMEデータを継続的に取得し、特に152.67円・153.85円・158.73円・147.06円という今回浮かび上がった重要Strikeにおいて、建玉がどのように積み増され、あるいは巻き戻されていくのかを前日比・前週比で追跡していきます。

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