今回のNVIDIAの決算は「予想以上に強い。ただし、株価にとっては新たな不安材料も同時に確認された決算」

私の見方を先に言うと、**今回のNVIDIAの決算は「予想以上に強い。ただし、株価にとっては新たな不安材料も同時に確認された決算」**だと考えています。

単純な「好決算=株価上昇」ではなく、今後はAI投資ブームがどこまで持続するのかという、より大きなテーマに市場の焦点が移っていくと思います。

私が最も評価している点

NVIDIAの2027年度第2四半期の売上高は962億ドルで前年同期比106%増、データセンター部門は890億ドルで同117%増でした。さらに次四半期の売上高見通しは1,080億ドルとされており、市場予想を上回る水準です。

私が特に重要だと思うのは、成長率がまだ100%前後という異常な水準を維持していることです。

普通であれば、これだけ巨大な売上規模になれば成長率は急速に鈍化します。しかしNVIDIAは、

  • AIモデルの大型化
  • AIデータセンター投資の拡大
  • Blackwell世代から次世代Vera Rubinへの移行
  • Microsoft、Google、Amazon、Oracleなどの継続的な設備投資

によって、依然として非常に強い需要を維持しています。Vera Rubinもすでに本格生産段階に入りつつあります。

つまり私は、AIブームが終わったどころか、まだインフラ投資の中盤から後半に差しかかっている可能性が高いと見ています。

ただし、今回の決算で気になる点もあります

一番注意したいのは、粗利益率の低下圧力です。

第3四半期の粗利益率見通しは約74%で、今後はメモリーなどの部品コスト上昇も利益率を圧迫する可能性があります。市場でも、売上高の成長だけでなく「どこまで高い利益率を維持できるか」が新たな焦点になっています。

これは非常に重要です。

これまでのNVIDIAは、

売上が増える → 利益も爆発的に増える → 株価が上昇する

という非常に分かりやすい構造でした。

しかし今後は、

売上は増えるが、利益率は少しずつ低下する

という局面に入る可能性があります。

そうなると株式市場は、以前ほど単純に「売上高が予想を上回ったから買い」という反応をしなくなるでしょう。

私が考える未来予想

私は今後のNVIDIAを、次の3段階で見ています。

第1段階:2026年後半~2027年前半

まだ強気です。

AIデータセンターへの投資は継続し、NVIDIAの売上高もさらに拡大する可能性が高いと考えています。

次世代製品への移行も順調であれば、市場は再び「NVIDIAはまだ成長できる」と評価するでしょう。

特に会社側は、中国のデータセンター向けコンピューティング売上を次期見通しに織り込んでいません。逆に言えば、中国事業が将来的に改善すれば、上振れ要因になる余地もあります。

私の基本シナリオは、

AI需要の継続 → 売上高の拡大 → NVIDIA中心のAI関連株相場が続く

です。

第2段階:2027年

ここから少し慎重になります。

私は2027年が、AI投資に対して市場が初めて本格的に、

「これだけ投資したお金は、本当に利益になるのか?」

と問い始める年になると考えています。

現在はMicrosoft、Amazon、Google、Metaなどが巨額のAI投資を続けています。

しかし、どこかの段階で、

「GPUを大量に購入した」

だけでは評価されなくなります。

その先に必要なのは、

AIによって実際にどれだけ利益が増えたのか

です。

もしAI投資が企業収益につながり始めれば、NVIDIAの成長はさらに長期化するでしょう。

反対に、AIサービスの収益化が期待ほど進まなければ、各社が設備投資を抑制し、NVIDIAの受注にも影響が出る可能性があります。

ここが将来的に最も大きな分岐点だと思います。

第3段階:NVIDIAの最大のリスク

私が一番警戒しているのは、AMDなどとの競争そのものよりも、NVIDIAの顧客自身がNVIDIA依存を減らそうとしていることです。

Amazon、Google、Microsoft、Metaなどは、自社独自のAIチップ開発を進めています。

もちろん、私はすぐにNVIDIAのGPUが不要になるとは考えていません。

むしろ当面は、

独自チップ+NVIDIA GPU

という併用が続くでしょう。

ただし数年単位で見ると、NVIDIAが現在のような圧倒的な価格決定力を維持できるかどうかは別問題です。

したがって私は、

売上高の成長率よりも、粗利益率の変化

をこれから特に注目していきます。

私の最終的な未来予想

私の基本シナリオは、以下です。

短期:強気

今回の決算を見る限り、AIインフラ需要はまだ非常に強く、NVIDIAの成長ストーリーは崩れていません。

中期:強気だが、株価の値動きは荒くなる

売上高は増加しても、利益率低下やAI投資の持続性に対する懸念によって、大きな調整が何度も発生する可能性があります。

長期:2027年以降が本当の勝負

AIが実際に世界経済の生産性を大きく向上させ、企業利益につながれば、現在のAI投資は「バブル」ではなく「インターネット黎明期のインフラ投資」だったと評価されるでしょう。

逆に、AIへの巨額投資に対して十分な収益が生まれなければ、どこかで設備投資の急減速が起こる可能性があります。

私自身は現時点では、AIバブル崩壊を予想するより、「AI投資の主役がNVIDIAのGPU購入から、AIを使って実際に利益を生み出す企業へ徐々に移っていく」未来を予想しています。

今回のNVIDIA決算は、その転換点がまだ来ていないことを示した非常に強い内容でした。ただし同時に、今後は**「どれだけ成長するか」だけでなく、「その成長をどれだけ高い利益率で維持できるか」**が株価を左右する局面に入った、と私は考えています。