CME USD/JPY Option Daily Watch【2026年8月11日(火)17時39分】

CME USD/JPY Option Daily Watch【2026年8月11日(火)17時39分】

CMEドル円オプション分析|158.73円の巨大建玉はほぼ変わらず、160円・161.29円ではPut OIが増加

CME Groupが公開している「Japanese Yen Options」のOpen Interestデータを使い、今回のファイルと前回ファイルを比較しました。

今回は単純な建玉ランキングだけではなく、

  • 現在のCall / Put OI
  • CME公表のOpen Interest Change
  • 前回ファイルとのOI差分
  • Strike別の建玉変化
  • Monthly / Weeklyの構造
  • 現在のドル円価格との距離

まで確認しています。

今回の分析で最も重要なのは、ドル円159円台を中心に、158.73円、160.00円、161.29円に大きな建玉が存在していることです。

さらに前回ファイルとの比較では、160.00円と161.29円でPut OIが増加する一方、6500 Strike、USD/JPY換算で153.85円付近ではCall OIが大きく減少しています。

ドル円のオプション市場では、建玉の中心が少しずつ変化していることが確認できます。


1.CMEドル円オプション市場の現在の状況

今回のファイルを集計すると、Open Interestは合計185,099枚でした。

内訳は、

区分Open Interest
Call99,988枚
Put85,111枚
Total185,099枚

Put/Call OI Ratioは、

85,111 ÷ 99,988

=約0.851

です。

つまり、オプション市場全体ではCall OIがPut OIを上回っています。

ただし、これだけを見て「ドル円は上昇方向」と判断することはできません。

Open Interestは建玉の残高を示すものであり、CME公開データだけでは、その建玉の買い手・売り手を完全に判別できないためです。

今回重要なのは、CallとPutが「どのStrike」に集中しているかです。


2.前回ファイルとの比較で見えた大きな変化

ここが今回の分析で最も重要な部分です。

前回ファイルのTotal OIは191,324枚。

今回のTotal OIは185,099枚。

したがって、

191,324 → 185,099

となり、

6,225枚減少しました。

変化率は約-3.25%です。

しかし、CallとPutを分けると非常に特徴的な動きになります。

区分前回OI今回OIファイル間変化
Call106,40899,988-6,420
Put84,91685,111+195
Total191,324185,099-6,225

つまり、今回のTotal OI減少のほとんどはCall側です。

Call OIは約6.0%減少した一方、Put OIは約195枚増加しています。

これは今回のオプション市場を考えるうえで非常に重要な変化です。

ただし、OI減少を「Call売り」と断定することはできません。

また、Put増加を「Put買い」と断定することもできません。

あくまで建玉残高がどう変化したかとして評価します。


3.現在のドル円と重要Strike

8月11日のドル円は159円台で推移しており、Reutersでは159.20円付近まで円安が進んでいることが報じられています。

今回の分析では、現在値を159.20円前後の基準として重要Strikeとの距離を確認します。

CMEのJapanese Yen OptionsはJPY/USDで価格が表示されるため、

CME Strike ÷ 1,000,000

でJPY/USDに変換し、

1 ÷ JPY/USD

でUSD/JPYへ換算しています。

CMEのJapanese Yen Optionsは、1契約が12,500,000円を基準とし、StrikeはUSD per JPYの方式で設定されています。CME公式資料でもこの仕様が確認できます。

例えばCME Strike 6300なら、

0.006300 JPY/USD

となり、

1 ÷ 0.006300

=158.730159円

です。


4.最大建玉は158.73円

今回の全Expirationを横断したStrike別集計で、最大のTotal OIとなったのがCME Strike 6300です。

USD/JPY換算では、

158.73円

です。

建玉は、

  • Call OI:4,578枚
  • Put OI:14,054枚
  • Total OI:18,632枚

となっています。

今回の全Strikeの中でTotal OIが最大です。

しかもPut OIが14,054枚と非常に大きく、Put/Call OI Ratioは約3.07。

現在のドル円159.20円前後から見ると、

159.20-158.73

=約0.47円

です。

つまり、現在値のすぐ下に全Strike最大の建玉があります。

これは今回のCMEデータで最も注目すべきポイントです。


5.158.73円の建玉は前日からほぼ変化していない

さらに重要なのが前回ファイルとの比較です。

158.73円のTotal OIは、

前回:18,646枚

今回:18,632枚

となっています。

変化は、

-14枚

です。

率にすると約-0.08%。

つまり、

「158.73円に巨大な建玉がある」

だけでなく、

「巨大建玉が前回からほぼ維持されている」

ということです。

これは非常に興味深い特徴です。

一気に建玉が積み上がったわけではありません。

一方で、巨大な建玉が大きく崩れているわけでもありません。

現在のドル円のすぐ下に、18,632枚という巨大なOIが残っている状態です。

したがって158.73円は、今後も継続して追跡する価値の高いStrikeです。


6.160.00円ではPut OIが増加

次に注目したいのがCME Strike 6250。

USD/JPYでは、

160.00円

です。

今回の建玉は、

  • Call OI:3,199枚
  • Put OI:7,488枚
  • Total OI:10,687枚

となっています。

さらに前回との比較では、

前回Total OI:10,382枚

今回Total OI:10,687枚

となり、

+305枚

増加しています。

その内訳を見ると、

Call OI:-3枚

Put OI:+308枚

です。

つまり、今回の160円では、ほぼPut側の増加によってTotal OIが増えています。

現在値159.20円前後から160円までは約0.80円。

ドル円が160円方向へ上昇した場合、このStrikeは非常に意識されやすい位置にあります。

もちろん、Put OI増加だけをもって「160円で反落する」と判断することはできません。

しかし、

「現在値のすぐ上に10,687枚の建玉があり、そのうち7,488枚がPutで、さらにPut OIが前回比+308枚」

という事実は、短期トレーダーにとって無視できない情報です。


7.161.29円でもPut OIが増加

CME Strike 6200は、

161.29円

に相当します。

今回の建玉は、

  • Call OI:4,622枚
  • Put OI:9,766枚
  • Total OI:14,388枚

です。

前回は14,133枚でしたから、

+255枚

増加しています。

内訳は、

Call:-2枚

Put:+257枚

です。

ここでもPut OIの増加が目立っています。

つまり現在のドル円159円台から上方向を見ると、

160.00円

161.29円

という2つの重要StrikeでPut OIが増加しています。

この構造は今後も追跡する必要があります。


8.157.48円には巨大なCall OI

下方向を見ると、CME Strike 6350、

157.48円

にも大きな建玉があります。

今回のOIは、

  • Call OI:8,917枚
  • Put OI:3,445枚
  • Total OI:12,362枚

です。

特にCall OIが8,917枚と大きいことが特徴です。

ただし前回は12,370枚だったため、

-8枚

と、ほぼ横ばいです。

つまり157.48円も、158.73円と同様に「巨大建玉が大きく動いていないStrike」です。


9.156.25円では大きなOI減少

一方、CME Strike 6400、

156.25円

では大きな変化が発生しています。

今回のTotal OIは11,012枚。

前回は13,343枚でした。

したがって、

-2,331枚

の減少です。

内訳を見ると、

Call OI:

10,447 → 8,374

-2,073枚

Put OI:

2,896 → 2,638

-258枚

となっています。

つまり156.25円ではCall OIの減少が中心です。

この変化は、今回の分析で非常に重要です。

ただし、ここでも「Call売り」と断定することはできません。

あくまで建玉残高が大きく減少したという事実として捉える必要があります。


10.153.85円ではさらに大きなCall OI減少

CME Strike 6500は、

153.85円

に相当します。

今回のTotal OIは10,640枚。

前回は14,100枚。

変化は、

-3,460枚

です。

今回確認できたStrike別のOI減少では最大級です。

そのほとんどがCall側で、

Call OI:

13,234 → 9,771

-3,463枚

となっています。

現在値159円台からかなり下のStrikeですが、建玉構造そのものが大きく変化しています。

今後、153.85円の建玉がさらに減少するのか、それとも再び積み上がるのかは、継続分析の重要ポイントになります。


11.Strike別の建玉変化ランキング

今回のファイル間比較をStrike単位で集計すると、増加側では次のStrikeが目立ちます。

USD/JPY前回Total OI今回Total OI変化
160.00円10,38210,687+305
161.29円14,13314,388+255
158.10円2,2522,454+202
158.73円の近辺444656+212
156.39円前後2,0632,176+113
158.10円より上の近接Strike1,3921,498+106

特に160円と161.29円の増加は注目されます。

一方、減少側では、

USD/JPY前回Total OI今回Total OI変化
153.85円14,10010,640-3,460
156.25円13,34311,012-2,331
155.04円10,2609,143-1,117
158.10円前後9,5539,292-261
154.85円前後6,0845,840-244

となっています。

下側のCall OIが大きく減少している一方、160円・161.29円付近ではPut OIが増加していることが、今回の特徴です。


12.Weekly Optionsで大きな変化

Weekly Optionsでは、前回のWeekly Monday Week 2の建玉が今回のファイルでは消えています。

一方、Weekly Monday Week 3は、

前回:1,145枚

今回:1,883枚

となり、

+738枚

増加しています。

これは非常に興味深い動きです。

ただし、

「Week 2からWeek 3へ建玉が移った」

と断定することはできません。

満期を迎えたWeekly Optionsの建玉消滅と、新しいWeekly Optionsへの建玉増加が同時に起きている可能性がありますが、CME公開OIだけでは個別参加者のロール取引まで確認できません。

したがって今回は、

「Weeklyの建玉が満期構造の変化に伴って入れ替わっている」

というところまでを事実として評価します。


13.現在のMonthly Options

Monthly Optionsでは、9月限が最大です。

SEP 26

  • Call OI:35,374枚
  • Put OI:37,736枚
  • Total OI:73,110枚
  • Put/Call OI Ratio:約1.067

9月限だけで73,110枚あります。

前回は72,982枚だったため、

+128枚

です。

Callは、

35,773 → 35,374

で-399枚。

Putは、

37,209 → 37,736

で+527枚。

つまり9月限では、Callが減少する一方でPutが増加しています。


14.10月限ではPut優勢がさらに強まる

OCT 26

  • Call OI:8,994枚
  • Put OI:16,186枚
  • Total OI:25,180枚
  • Put/Call OI Ratio:約1.80

前回のTotal OIは24,654枚でした。

今回は、

+526枚

です。

Callは+133枚。

Putは+393枚。

こちらもPut側の増加が中心です。


15.12月限はCall優勢

DEC 26

  • Call OI:19,372枚
  • Put OI:14,809枚
  • Total OI:34,181枚
  • Put/Call OI Ratio:約0.764

前回は33,935枚。

今回は+246枚です。

こちらはCall側が19,372枚とPutを上回っています。

したがってMonthly全体では、

9月限:ほぼ均衡

10月限:Put優勢

12月限:Call優勢

という構造が確認できます。


16.現在のドル円で最も意識したい価格帯

今回のCMEオプションデータを現在のドル円159円台と重ねると、重要価格帯がかなり明確になります。

上方向

159.20円前後

160.00円

161.29円

160円ではPut OIが+308枚。

161.29円ではPut OIが+257枚。

したがって上方向では、160円と161.29円を重点的に追跡したいところです。


下方向

159.20円前後

158.73円

158.10円

157.48円

158.73円には18,632枚という今回最大のTotal OIがあります。

158.10円にも9,292枚。

157.48円には12,362枚。

したがって下方向では、158円台前半から157円台半ばにかけて巨大な建玉が並んでいます。


17.今回の最重要Strike 5選

今回のデータを総合すると、今後追跡すべきStrikeは次の5つです。

1位 158.73円

Total OI:18,632枚

全Strike最大。

Put OI:14,054枚。

現在値から約0.47円下。

前回比-14枚と、巨大建玉がほぼ維持されています。

今回の最重要Strikeです。


2位 161.29円

Total OI:14,388枚。

Put OI:9,766枚。

前回比+255枚。

現在値から約2.09円上。

160円を突破した場合に次に意識されやすい重要Strike候補です。


3位 157.48円

Total OI:12,362枚。

Call OI:8,917枚。

前回比-8枚。

158.73円の下側に位置する巨大建玉ゾーンです。


4位 156.25円

Total OI:11,012枚。

前回比-2,331枚。

Call OIが2,073枚減少しており、建玉構造の変化が大きいStrikeです。


5位 160.00円

Total OI:10,687枚。

Put OI:7,488枚。

前回比+305枚。

そのうちPut OIが+308枚。

現在値のすぐ上に位置するため、短期的には非常に重要です。


18.Gamma / GEXについて

今回のCME VOIファイルには、

  • Implied Volatility
  • Delta
  • Gamma
  • 正確な満期日
  • 金利
  • Forward

などが含まれていません。

そのため、今回のデータだけからGammaやGEXを「実測値」として算出することはできません。

また、CMEのJapanese Yen Optionsについて、公式資料では契約仕様や満期ごとの商品構造が定められていますが、今回のVOIファイルだけでは各行のGamma計算に必要なすべての入力条件を取得できません。

したがって今回は、

「Gamma推定値」

「Gross GEX」

「Signed GEX」

を無理に数字として掲載しません。

これは分析上の制約ですが、実測値と推定値を混同しないという意味では重要な判断です。

今後、IVと正確な満期、必要な金利条件を取得できれば、Gamma/GEXをモデル推定として追加することができます。


19.Resistance / Support候補

今回のオプション市場だけから整理すると、次の価格帯が重要です。

上方向のResistance候補

160.00円

161.29円

特に160円は現在値に近く、Put OIが増加しています。

ただし、巨大OIがあるから必ずレジスタンスになるとは限りません。


下方向のSupport候補

158.73円

158.10円

157.48円

この中でも158.73円はTotal OIが18,632枚と突出しています。

現在値から近いこともあり、今回最も注目したい下側のStrikeです。


20.オプション市場から見た現在のドル円構造

今回のCMEデータを一言で表現するなら、

「現在値159円台の上下に、巨大な建玉が配置されている」

という構造です。

上方向には、

160.00円

161.29円

というPut OIの増加ポイントがあります。

下方向には、

158.73円

158.10円

157.48円

という巨大な建玉ゾーンがあります。

さらに前回比では、

160.00円 +305枚

161.29円 +255枚

と上側の重要Strikeで建玉が増加しています。

一方、

153.85円 -3,460枚

156.25円 -2,331枚

155.04円 -1,117枚

と、下側の一部Strikeでは大幅なOI減少が確認されています。

つまり、今回の変化だけを見ると、

「下側の一部のCall建玉が大きく減少する一方、現在値に近い160円・161.29円ではPut建玉が増加している」

というポジション構造の変化が確認できます。

ただし、これはあくまでOIの変化です。

ここから直接、ドル円の方向を断定することはできません。


21.今回の分析で最も重要なポイント

今回のCMEデータから、特に重要なポイントを整理します。

  1. Total OIは191,324枚から185,099枚へ6,225枚減少。
  2. OI減少の中心はCall側で、Call OIは6,420枚減少。
  3. Put OIは逆に195枚増加。
  4. 158.73円には全Strike最大の18,632枚のOI。
  5. 158.73円のOIは前回比-14枚で、巨大建玉がほぼ維持されている。
  6. 160.00円ではTotal OIが+305枚、Put OIが+308枚。
  7. 161.29円ではTotal OIが+255枚、Put OIが+257枚。
  8. 157.48円には12,362枚の巨大建玉が残っている。
  9. 156.25円ではTotal OIが-2,331枚と大きく減少。
  10. 153.85円ではTotal OIが-3,460枚とさらに大きく減少。

22.まとめ

今回のCME Japanese Yen Optionsデータで最も注目したいのは、159円台のドル円を中心に、158.73円と160円、さらに161.29円に大きな建玉が集中していることです。

中でも158.73円はTotal OIが18,632枚と今回の全Strikeで最大。

しかも前回からわずか14枚の減少にとどまっており、巨大な建玉がほぼそのまま残っています。

一方、160円ではPut OIが+308枚、161.29円では+257枚増加しました。

このため、現在のドル円159円台では、

「160円方向へ上昇した場合のオプション構造」

と、

「158.73円方向へ下落した場合のオプション構造」

の両方を意識する必要があります。

特に158.73円は現在値から近く、かつ全Strike最大の建玉を持つため、今後のデイリー分析でも最重要Strikeとして追跡したい価格です。

また、156.25円や153.85円では大幅なOI減少が確認されています。

今後、この変化が一時的なものなのか、それとも下側のCall建玉が継続的に整理されていくのかを確認する必要があります。

CMEのOpen Interestは、それ単独でドル円の上昇・下落を予測するためのデータではありません。

しかし、

「どの価格に建玉が集中しているのか」

「その建玉が前日から増えているのか、減っているのか」

「現在値からどの程度離れているのか」

を継続的に追跡すれば、通常のチャート分析だけでは見えにくいドル円のオプション市場の価格構造を捉えることができます。

今後は、今回確認された158.73円、160.00円、161.29円、157.48円、156.25円を中心に、毎日のCMEデータを蓄積し、OIの増減と重要Strikeの移動を追跡していきます。

1日だけの建玉分布ではなく、数日、数週間とデータを積み重ねることで、

「どこに建玉が積み上がっているのか」

「どこから建玉が消えているのか」

「重要Strikeが上へ移動しているのか、下へ移動しているのか」

という、より立体的なドル円オプション市場の変化が見えてくるはずです。