CME USD/JPY Option Daily Watch【2026.9.15(Tue)17:10 JST】

CME USD/JPY Option Daily Watch【2026.9.15(Tue)17:10 JST】

CME Groupが公開しているJapanese Yen Options(JPY/USD、CME Globexコード6J系オプション)のVolume/Open Interest(VOI)データをもとに、直近4営業日(2026年9月9日・10日・11日・14日)のCall/Put建玉を比較し、ドル円市場で意識されやすい価格帯を確認します。数値はすべてCMEが公表しているAt Close(Open Interest)ベースです。

1.CMEドル円オプション市場の現在の状況

2026年9月14日時点のTotal Open Interest(Call+Put合算)は141,062枚でした。直近4営業日の推移は、9/9が144,735枚、9/10が146,497枚、9/11が138,803枚、9/14が141,062枚となっており、大きなトレンドというよりも14万枚台での高止まりが続いている状況です。

Call OIとPut OIを分けて見ると、Call OIは9/9の84,903枚から9/14の77,712枚へと4営業日で7,191枚(約8.5%)減少している一方、Put OIは9/9の59,832枚から9/14の63,350枚へと3,518枚(約5.9%)増加しています。Put/Call比(Put OI÷Call OI)は9/9の0.70から9/14の0.82へと上昇しており、円安方向(ドル円上昇方向)に利益が出るPutポジションの相対的な積み上がりが確認できます。ただしこれはOI残高の話であり、新規の方向性ポジションが積み上がったのか、既存のCallポジションの手仕舞いが先行したのかは、このデータだけでは断定できません。

なお、原資産である6J先物のOpen Interestを見ると、SEP26限月は9/9の176,271枚から9/14には114,307枚まで減少し、DEC26限月は9/9の330,414枚から9/14には419,697枚まで増加しています。9月限から12月限への限月ロールが進行中であることが確認でき、オプション側でもDEC26(12月限)がTotal OIで最大の限月になっている点と整合的です。

2.満期別のCall / Put建玉

限月別(Expiration別)にTotal OIが大きい順に並べたものが以下の表です。DEC26(Monthly)が42,900枚で最大、次いでOCT26(Monthly)が41,287枚、NOV26(Monthly)が19,536枚、Weekly Friday Week3(SEP26原資産、9月18日満期想定)が13,750枚と続きます。この上位4限月だけでTotal OIの約83%を占めており、建玉はごく一部の限月に集中していることがわかります。

Expiration Type Call OI Put OI Total OI Put/Call OI Ratio
DEC 26 Monthly Options 28,379 14,521 42,900 0.51
OCT 26 Monthly Options 18,948 22,339 41,287 1.18
NOV 26 Monthly Options 11,266 8,270 19,536 0.73
SEP 26 Weekly Friday Option Week 3 5,946 7,804 13,750 1.31
MAR 27 Monthly Options 2,979 1,270 4,249 0.43
JAN 27 Monthly Options 2,210 512 2,722 0.23
SEP 26 Weekly Wednesday Options Week 3 913 1,643 2,556 1.80
SEP 26 Weekly Thursday Options Week 4 0 2,504 2,504 N/A
FEB 27 Monthly Options 1,301 817 2,118 0.63
MAY 27 Monthly Options 1,973 21 1,994 0.01
JUN 27 Monthly Options 559 1,189 1,748 2.13
SEP 26 Weekly Friday Option Week 4 778 496 1,274 0.64

Put/Call OI Ratioで見ると、OCT26(1.18)とWeekly Friday Week3(1.31)、Weekly Wednesday Week3(1.80)、JUN27(2.13)がPut優勢、DEC26(0.51)とMAR27(0.43)、JAN27(0.23)、MAY27(0.01)がCall優勢という、限月によってかなり異なる色分けになっています。

3.主要Monthly Optionsの詳細分析

最大限月であるDEC26は、Call OIが28,379枚とPut OIの14,521枚の約2倍あり、明確にCall優勢です。中でも147.06円(CME Strike 6800)のCall OIが7,803枚と突出しており、DEC26単独のCall OIの約27%を占めます。また125.00円(CME Strike 8000)にも6,048枚のCall OIが存在しますが、現在値(155.17円)から約30円・19%以上離れた極端に遠いストライクであり、Gamma・GEXへの影響はほぼゼロです(テールヘッジ、あるいはロールの残存ポジションの可能性がありますが、CME公開データからは建玉の目的までは判別できません)。

2番目に大きいOCT26は、Call OI 18,948枚に対しPut OI 22,339枚とPut優勢で、満期までの残存日数は約31日(2026年10月16日想定、後述の通り概算)です。156.25円(Strike 6400)でPut OI 3,084枚、158.73円(Strike 6300)でPut OI 3,158枚、161.29円(Strike 6200)でPut OI 2,601枚と、現在値近辺から上方にかけてPutが厚く分布しています。

3番目のNOV26はCall OI 11,266枚・Put OI 8,270枚とやや Call優勢で、9/11から9/14にかけて複数のストライクでOIが増加している点が特徴です(詳細は6章)。

4.Weekly Optionsの特徴

Weeklyの中で最大なのはWeekly Friday Week3(SEP26原資産)で、Total OI 13,750枚(Call 5,946枚・Put 7,804枚)です。名称上の週番号から、直近の金曜日(2026年9月18日)が満期と推定されますが、CME公開データ上では正確な満期日を確認できないため、あくまで名称ベースの概算である点にご留意ください。152.67円(Strike 6550)にCall 3,733枚・Put 2,555枚と建玉が集中しており、後述の通りGross GEXでも全ストライク中トップクラスの水準です。

もう一つ注目したいのがWeekly Thursday Week4(SEP26原資産)です。9/11時点のCME公開データには当該限月のセクション自体が存在せず、9/14になって新規に上場されたとみられます。上場後の建玉は154.44円(Strike 6475)のPutが2,199枚、156.25円(Strike 6400)のPutが305枚となっており、これは既存ポジションからの継続的な積み増しとは性質が異なる増加です。

5.Strike別の最大建玉

限月ごとにCall・Putそれぞれの最大建玉ストライクをまとめました。

Expiration Type Max Call Strike(CME) Call USD/JPY Call OI Max Put Strike(CME) Put USD/JPY Put OI
DEC 26 Monthly Options 6,800 147.06円 7,803 6,100 163.93円 2,057
SEP 26 Weekly Friday Option Week 3 6,550 152.67円 3,733 6,550 152.67円 2,555
OCT 26 Monthly Options 6,200 161.29円 3,099 6,100 163.93円 3,356
NOV 26 Monthly Options 6,350 157.48円 2,377 6,300 158.73円 2,607
MAY 27 Monthly Options 6,850 145.99円 1,950 4,900 204.08円 9
MAR 27 Monthly Options 6,500 153.85円 968 6,250 160.00円 336
JAN 27 Monthly Options 6,500 153.85円 601 5,100 196.08円 159
SEP 26 Weekly Tuesday Options Week 3 6,600 151.52円 403 6,525 153.26円 60
JUN 27 Monthly Options 7,000 142.86円 401 6,200 161.29円 427
OCT 26 Weekly Friday Option Week 1 6,275 159.36円 398 6,275 159.36円 100

全限月を横断してTotal OI(Call+Put合算)が最大のストライクは158.73円(CME Strike 6300)で11,753枚、次いで152.67円(Strike 6550)が9,900枚、161.29円(Strike 6200)が9,529枚でした(詳細は7章)。

6.OI Changeから見えるポジション変化

CMEが公表しているOpen Interest Change(当日分)と、前日ファイル(9/11)との差分(File-to-File OI Change)を比較したところ、今回の4ファイルの範囲では両者は完全に一致しました。これは9/11(金)と9/14(月)が連続する営業日であり、CMEのChange欄がまさに「直前営業日からの変化」を表しているためと考えられます。9/9→9/10、9/10→9/11についても同様に、営業日が連続している限りChange欄とFile-to-File差分は整合していました。

9/11→9/14で最も建玉が増加した項目は、新規上場とみられるWeekly Thursday Week4のPut(154.44円、+2,199枚)を除くと、NOV26のPut 155.04円(Strike 6450)で+915枚(50枚→965枚、+1,830%)でした。同じNOV26では155.04円のCallも+182枚、149.25円のCallが+128枚、143.88円のCallが+124枚など、Call側でも複数ストライクの増加が見られ、NOV26限月全体で建玉の積み増しが進んでいることが読み取れます。

さらに9/9〜9/14の4営業日を通じて、同じ方向へ連続的にOIが変化しているストライクを見ると、152.67円のCall・Putが一貫して増加している一方、153.85円のCall、155.64円のCall、158.73円のPutは一貫して減少しています。

Call/Put USD/JPY Strike 9/9 OI 9/10 OI 9/11 OI 9/14 OI 傾向
Call 152.67円 2,544 2,606 5,370 5,497 increasing
Put 152.67円 1,908 1,913 4,401 4,403 increasing
Call 153.85円 8,873 8,174 7,854 6,620 decreasing
Call 155.64円 1,697 1,696 1,180 120 decreasing
Put 158.73円 10,132 10,129 9,796 9,780 decreasing
Call 148.15円 616 684 911 935 increasing
Call 143.88円 490 540 543 667 increasing
Put 153.26円 431 438 484 555 increasing

一方、減少側で目立つのはWeekly Monday Week2(SEP26原資産)のCall2本で、153.85円(Strike 6500)が-1,318枚、155.64円(Strike 6425)が-1,060枚とゼロまで減少しました。これは同週次オプションの満期到来・権利行使/放棄によるものと考えられますが、CME公開データからは「権利行使されたのか」「反対売買で手仕舞われたのか」は判別できません。

参考として、9/11→9/14の主要な変化を一覧にしたものが以下です。

Expiration Call/Put USD/JPY Strike 9/11 OI 9/14 OI OI Change 変化率
SEP 26(Weekly Thursday Options Week 4) Put 154.44円 0 2,199 +2,199 —
SEP 26(Weekly Monday Options Week 2) Call 153.85円 1,318 0 -1,318 -100.0%
SEP 26(Weekly Monday Options Week 2) Call 155.64円 1,060 0 -1,060 -100.0%
NOV 26(Monthly Options) Put 155.04円 50 965 +915 1830.0%
SEP 26(Weekly Thursday Options Week 4) Put 156.25円 0 305 +305 —
NOV 26(Monthly Options) Call 155.04円 717 899 +182 25.4%
DEC 26(Monthly Options) Call 147.06円 7,671 7,803 +132 1.7%
NOV 26(Monthly Options) Call 149.25円 1,827 1,955 +128 7.0%
NOV 26(Monthly Options) Call 143.88円 221 345 +124 56.1%
NOV 26(Monthly Options) Put 156.25円 34 132 +98 288.2%
NOV 26(Monthly Options) Call 153.85円 264 358 +94 35.6%
NOV 26(Monthly Options) Call 152.67円 98 179 +81 82.7%

なお、OI増加を「新規買い」、OI減少を「売り」と単純に断定することはできません。ロールオーバーや権利行使、既存ポジションの一部解消など、複数の要因が混在する点にご留意ください。

7.ドル円の重要オプションゾーン

全限月のOIをストライクごとに合算し、現在値(155.17円)との位置関係で整理すると、明確な傾向が見えてきます。現在値より下方(147円台〜153円台)はCall OI(円コール=円高・ドル安方向のポジション)が優勢で、147.06円(9,419枚、うちCall 9,324枚)、149.25円(5,864枚、うちCall 5,863枚)、153.85円(7,721枚、うちCall 6,620枚)などが目立ちます。逆に現在値より上方(156円台〜167円台)はPut OI(円プット=円安・ドル高方向のポジション)が優勢で、158.73円(11,753枚、うちPut 9,780枚)、161.29円(9,529枚、うちPut 5,917枚)、163.93円(6,100枚、うちPut 6,091枚)などが挙がります。

ちょうど現在値付近の156.25円(8,943枚、Call 4,769枚・Put 4,174枚)は数少ないCall/Putがほぼ拮抗しているストライクで、複数限月(4限月)にまたがって建玉が存在する点も特徴です。

このように、「147円〜154円ゾーンにCall OIが集中」「156円〜167円ゾーンにPut OIが集中」という構図になっており、現在値はちょうどその中間に位置しています。ただし、これは建玉の分布を示しているだけであり、必ずその価格まで動く、あるいはその水準で反発・反落するという意味ではありません。

8.Gamma分析

CME公開データにはImplied Volatility、Exact Expiration Date、金利データは含まれていないため、実測Gammaは算出できません。以下はBlack-76モデルによる仮定条件下のモデル推定値です。前提条件は次の通りです。

  • Forward価格:現在値(155.17円、2026年9月15日04:10 ET時点、参照:TradingKey)で代用
  • 金利:考慮せず(割引なし、r=0の仮定)
  • 満期日:Monthly Optionsは「契約月の第3水曜日の2営業日以上前の金曜日」というCME FXオプションの一般的な満期慣行から逆算した概算日。Weekly Optionsは名称の週番号(Week1〜5)から該当月の該当曜日の第N回目として概算。いずれも正確な満期日はCME公開データ上では確認できないため、モデル計算用の概算値である点にご留意ください
  • IV:実測値が取得できないため、8%・10%・12%の3シナリオを設定

OI上位の主要ストライクについて、IVシナリオ別のGammaは以下の通りです。

Expiration Call/Put USD/JPY Strike 残存日数(概算) Gamma@IV8% Gamma@IV10% Gamma@IV12%
DEC 26 Call 147.06円 87日 0.0249 0.0280 0.0281
DEC 26 Call 125.00円 87日 0.0000 0.0000 0.0000
SEP 26 Call 152.67円 3日 0.0287 0.0566 0.0770
OCT 26 Put 163.93円 31日 0.0071 0.0153 0.0220
OCT 26 Put 158.73円 31日 0.0695 0.0659 0.0602
OCT 26 Call 161.29円 31日 0.0284 0.0373 0.0406
OCT 26 Put 156.25円 31日 0.1059 0.0860 0.0723
NOV 26 Put 158.73円 59日 0.0630 0.0551 0.0482
DEC 26 Call 142.86円 87日 0.0067 0.0120 0.0155
OCT 26 Call 153.85円 31日 0.1026 0.0841 0.0710

残存日数が短いWeekly Friday Week3(想定満期まで約3日)の152.67円は、IVを引き上げるほどGammaが急上昇する典型的な「満期間近・at/near the money」の特性を示しています。一方、DEC26(残存約87日)の147.06円はGammaの絶対水準が低く、満期までの時間的猶予がある分、価格変化に対する感応度は相対的に緩やかです。

9.GEX分析

Gross GEX(Gamma×OI)は、OI上位6限月(DEC26・OCT26・NOV26・Weekly Friday Week3・MAR27・JAN27)についてIV10%シナリオを基準に算出した相対指数です。CME契約乗数や実際のドル建て金額への換算は行っておらず、ストライク間の相対比較のための指数である点にご注意ください。符号(Signed GEX)はCallを+、Putを-とする分析上の仮定によるもので、実際のディーラーのポジション(ロング/ショートガンマ)を示すものではありません。

USD/JPY Strike Call OI Put OI Total OI Gross GEX(指数) Signed GEX(指数)
156.250円 4,769 4,174 8,943 654.56 3.72
152.672円 5,497 4,403 9,900 605.20 64.06
158.730円 1,973 9,780 11,753 550.21 -346.87
153.846円 6,620 1,101 7,721 534.70 376.23
155.039円 3,417 2,930 6,347 485.35 16.07
157.480円 4,156 3,131 7,287 432.68 27.72
161.290円 3,612 5,917 9,529 336.06 -63.12
147.059円 9,324 95 9,419 245.05 241.78
151.515円 4,939 81 5,020 227.13 217.20
149.254円 5,863 1 5,864 202.17 202.10

Gross GEXの絶対値が最も大きいのは156.25円(654.6)で、Call・Putがほぼ均衡しており(Signed GEX +3.7)、現在値に最も近い「ガンマの中心」的な位置づけです。次いで152.67円(605.2)、158.73円(550.2)と続きます。Signed GEXで見ると、147.06円(+241.8)や153.85円(+376.2)、149.25円(+202.1)など現在値より下方のストライクはCall優勢(プラス)、158.73円(-346.9)や161.29円(-63.1)、163.93円(-115.9)など上方のストライクはPut優勢(マイナス)という、7章のゾーン分析と整合的な結果になっています。

10.現在のドル円市場で意識されやすいStrike

Total OI、複数限月への分散度、現在値との距離、GEXを総合すると、以下のストライクが意識されやすい水準として挙がります(Total OI上位10件)。

USD/JPY Strike Call OI Put OI Total OI 集中限月数 現在値(155.17円)との距離 Gross GEX(指数) Signed GEX(指数)
158.730円 1,973 9,780 11,753 5限月 3.56円(2.29%) 550.21 -346.87
152.672円 5,497 4,403 9,900 2限月 -2.50円(-1.61%) 605.20 64.06
161.290円 3,612 5,917 9,529 4限月 6.12円(3.94%) 336.06 -63.12
147.059円 9,324 95 9,419 2限月 -8.11円(-5.23%) 245.05 241.78
156.250円 4,769 4,174 8,943 4限月 1.08円(0.70%) 654.56 3.72
153.846円 6,620 1,101 7,721 6限月 -1.32円(-0.85%) 534.70 376.23
157.480円 4,156 3,131 7,287 4限月 2.31円(1.49%) 432.68 27.72
155.039円 3,417 2,930 6,347 4限月 -0.13円(-0.08%) 485.35 16.07
125.000円 6,258 0 6,258 1限月 -30.17円(-19.44%) 0.03 0.03
163.934円 9 6,091 6,100 2限月 8.76円(5.65%) 116.42 -115.91

特に158.73円は5つの限月にまたがって建玉が存在し、単独の限月に偏らない「面」としての厚みがある点が特徴です。156.25円・153.85円・155.04円も複数限月(4〜6限月)に分散しており、こうした「限月をまたいだ集中」がある水準は、単一限月のみで積み上がったストライクよりも意識されやすいと考えられます。

11.Resistance / Support候補

現在値(155.17円)より上方では、158.73円・161.29円・163.93円・166.67円(Strike 6000、Put OI 3,132枚)などにPut OI(円安・ドル高方向のポジション)が集中しており、上値で意識されやすい水準の候補です。現在値より下方では、147.06円・149.25円・151.52円(Strike 6600、Call OI 4,939枚)・153.85円などにCall OI(円高・ドル安方向のポジション)が集中しており、下値で意識されやすい水準の候補です。

ただし、巨大なOIが存在することは、必ずしもその価格帯が「support」あるいは「resistance」として機能することを保証するものではありません。あくまでオプション建玉から見た「意識されやすい価格帯の候補」としてご覧ください。

12.今後注目すべきStrike

今回のデータから、特に以下の3〜5水準に注目しています。

  • 156.25円:現在値からわずか1.08円(0.70%)という至近距離にあり、Total OI 8,943枚、Gross GEX 654.6と全ストライク中最大。Call・Putがほぼ拮抗しており、短期的な値動きに対してガンマの影響を最も受けやすいストライクです。
  • 158.73円:Total OI 11,753枚で全ストライク中最大。5限月にわたって建玉が存在し、Put OIが9,780枚と圧倒的にPut優勢。現在値から3.56円(2.29%)の上方に位置します。
  • 152.67円:Total OI 9,900枚で、9/9からの4営業日で継続的にOIが増加(Call 2,544枚→5,497枚、Put 1,908枚→4,403枚)しており、Gross GEX 605.2と全ストライク中2番目に高い水準です。現在値から2.50円(1.61%)下方に位置し、Weekly Friday Week3という残存日数の短い限月に集中しているため、直近数日の値動きへの影響度が高いと考えられます。
  • 147.06円:DEC26(残存約87日)のCall OIが7,803枚集中する、Call側では最大の単一ストライク。現在値から8.11円(5.23%)下方とやや距離はありますが、12月限の満期に向けて意識される可能性がある水準です。
  • 153.85円:6限月にわたって建玉が存在する数少ないストライクで、Total OI 7,721枚。9/9の8,873枚から9/14の6,620枚へと継続的にCall OIが減少しており、資金の重心が他のストライクに移動している可能性がある水準です。

13.オプション建玉を相場分析に利用する際の注意点

本記事の数値はすべてCME Groupが公開しているVOI(Volume/Open Interest)データに基づく事実、およびBlack-76モデルによる仮定条件下のモデル推定値です。以下の点にご留意ください。

  • Implied Volatility・正確な満期日・金利データはCME公開ファイルには存在しないため、Gamma・GEXはすべて仮定条件下のモデル推定値であり、実測値ではありません。
  • OI増加を「新規買い」、OI減少を「売り」と断定することはできません。
  • 巨大なOIが「必ずその価格まで動く」ことを意味するものではありません。
  • Signed GEXの符号(Call=+、Put=-)は分析上の仮定であり、実際のディーラーのポジション(ロング/ショートガンマ)を示すものではありません。
  • CME公開のOpen Interestだけでは、建玉がディーラーの売りなのか顧客の買いなのかを判別できません。
  • 本データだけでドル円の方向性を断定することはできません。あくまで複数ある分析材料の一つとしてご活用ください。

14.まとめ

2026年9月9日〜14日のCME Japanese Yen OptionsのVOIデータを見ると、Total OIは141,000〜146,000枚のレンジで推移する中、Call OIが緩やかに減少しPut OIが増加するという構図が確認できました。ゾーン別では、現在値(155.17円)を挟んで下方(147円台〜154円台)にCall OI、上方(156円台〜167円台)にPut OIが集中する構図が明確で、特に158.73円・152.67円・156.25円の3水準がTotal OIとGEXの両面で突出しています。限月別ではDEC26とOCT26の2限月でTotal OIの過半を占め、直近ではNOV26でのポジション積み増しも観察されました。

今後もこのCMEデータを継続的に取得し、前日比・前週比の変化を追跡することで、ドル円オプション市場のポジション変化を追っていきます。特に今回見つかった156.25円、158.73円、152.67円という3つの重要ストライクが、満期が近づくにつれてOIやGammaがどう変化していくのか、次回以降のデータで確認していきたいと思います。

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