CME USD/JPY Option Daily Watch【2026.8.26(水)17:40】

CME USD/JPY Option Daily Watch【2026.8.26(水)17:40】

1.CMEドル円オプション市場の現在の状況

今回のCME公開データにおけるオプションTotal OIは196,155枚でした。

前日ファイルのTotal OIは193,967枚だったため、File-to-Fileでは+2,188枚、+1.13%となっています。

区分 Call OI Put OI Total OI CME OI Change
Monthly 106,170 89,985 166,086 +1,314
Weekly 30,069 +874
全体 106,170 89,985 196,155 +2,188

全体のPut/Call OI Ratioは0.848です。

ただし、OIの増加をそのまま「新規買い」と解釈することはできません。OIはポジションの増減を示すデータであり、買い手・売り手のどちらが主導したかまでは、このCME公開データだけでは判別できません。

2.データ読み込み結果とCME仕様

CMEのXLSでは、オプション部分にStrike、Globex、Open OutCry、Clear Port、Total Volume、Block Trades、EOO、Exercises、At Close、Changeが掲載されています。

今回の分析では、CME表のAt CloseをOpen Interest、ChangeをCME公表Open Interest Changeとして扱っています。

CME Japanese Yen OptionsはJPY/USD先物を対象とするEuropean Styleのオプションです。1枚のオプションは12,500,000円のJPY/USD先物1枚を対象とします。

また、Monthly Optionsに加えてWeekly Monday、Tuesday、Wednesday、Thursday、Friday Optionsが設定されています。

4.Strike変換

CME Japanese Yen OptionsのStrikeはJPY/USDベースで表示されるため、USD/JPYとして利用する場合には逆数変換が必要です。

例えばCME Strikeが6300の場合、

6300 ÷ 1,000,000 = 0.006300 JPY/USD

その逆数を取ることで、

1 ÷ 0.006300 = 158.730159 USD/JPY

となります。

CME Strike JPY/USD Strike USD/JPY Strike
6300 0.006300 158.730159

CME StrikeとUSD/JPY Strikeは完全に別の数値として扱います。

5.満期別のCall / Put建玉

Monthly Options

Expiration Call OI Put OI Total OI Put/Call Ratio
SEP 26 36,635 37,361 73,996 1.020
DEC 26 20,843 15,799 36,642 0.758
OCT 26 13,149 17,728 30,877 1.348
NOV 26 7,002 6,394 13,396 0.913
MAR 27 2,312 1,238 3,550 0.535
JAN 27 1,648 440 2,088 0.267
MAY 27 1,978 3 1,981 0.002
FEB 27 909 542 1,451 0.596
JUN 27 159 896 1,055 5.635
DEC 27 8 436 444 54.500
SEP 27 111 269 380 2.423
JUL 27 105 39 144 0.371
APR 27 39 15 54 0.385
AUG 27 28 0 28 0.000

MonthlyではSEP 26が73,996枚と圧倒的に大きく、次いでDEC 26が36,642枚、OCT 26が30,877枚となっています。

特にSEP 26、OCT 26、DEC 26の3つで建玉が大きく、今回のドル円オプション市場の中心となっています。

Weekly Options

Weekly Expiration Call OI Put OI Total OI Put/Call Ratio
Friday W4 AUG 26 6,030 4,667 10,697 0.774
Wednesday W4 AUG 26 7,272 478 7,750 0.066
Friday W2 SEP 26 2,743 1,357 4,100 0.495
Monday W2 SEP 26 2,465 115 2,580 0.047
Wednesday W1 SEP 26 471 1,001 1,472 2.125
Thursday W4 AUG 26 924 38 962 0.041
Friday W3 SEP 26 632 282 914 0.446
Wednesday W2 SEP 26 246 631 877 2.565
Monday W5 AUG 26 316 224 540 0.709
Friday W4 SEP 26 103 23 126 0.223
Monday W3 SEP 26 30 9 39 0.300
Tuesday W1 SEP 26 11 0 11 0.000
Thursday W1 SEP 26 1 0 1 0.000

6.Strike別の最大建玉

全Expirationを横断すると、最大Total OIは158.730円の18,192枚です。

Strike USD/JPY Call OI Put OI Total OI Call OI Change Put OI Change
6300 158.730 4,870 13,322 18,192 +335 +211
6450 155.039 12,522 1,100 13,622 +109 +30
6200 161.290 4,472 9,017 13,489 0 -6
6400 156.250 10,053 2,700 12,753 -283 0
6250 160.000 1,397 9,102 10,499 +4 +404
6350 157.480 7,495 2,962 10,457 +353 +112
6100 163.934 59 9,524 9,583 0 +4
6325 158.103 3,438 3,458 6,896 +187 -7
6150 162.602 605 5,567 6,172 0 +13
6175 161.943 57 3,423 3,480 +1 0

7.OI Changeから見えるポジション変化

今回のCME OI Changeでは、158.730円、157.480円、160.000円、159.363円付近で大きな増加が確認されました。

Strike USD/JPY Prior OI Current OI File-to-File OI Change Change %
6300 158.730 17,646 18,192 +546 +3.09%
6350 157.480 9,992 10,457 +465 +4.65%
6250 160.000 10,091 10,499 +408 +4.04%
6275 159.363 1,353 1,744 +391 +28.90%
6400 156.250 13,036 12,753 -283 -2.17%
6325 158.103 6,716 6,896 +180 +2.68%
6450 155.039 13,483 13,622 +139 +1.03%
6225 160.643 2,854 2,940 +86 +3.01%
6150 162.602 6,159 6,172 +13 +0.21%
6375 156.863 810 804 -6 -0.74%
6200 161.290 13,495 13,489 -6 -0.04%
6100 163.934 9,579 9,583 +4 +0.04%

特に159.363円は、OIそのものは1,744枚ですが、前日から391枚増加しており、変化率は+28.90%です。

一方、OI減少では156.250円の-283枚が目立ちます。

なお、今回使用できる前日ファイルは1日分のみであるため、3日推移、5日推移、前週同曜日比については算出していません。

8.ドル円の重要オプションゾーン

158.10~160.00円ゾーン

今回もっとも注目したいのが157.48~160.00円です。

この範囲には、157.480円、158.103円、158.730円、159.363円、160.000円という複数の重要Strikeが連続しています。

さらに、この5Strikeでは今回のOI Changeが合計+1,990枚となっています。

つまり、現在値158.95円の周辺で、建玉そのものだけでなく、建玉変化も集中しています。

下側の重要価格帯

155.04~157.48円ではCall OIが大きく、特に155.039円、156.250円、157.480円に大きな建玉があります。

上側の重要価格帯

160.00~163.93円ではPut OIが大きく、160.000円、161.290円、162.602円、163.934円が注目されます。

ただし、CMEの原商品はJPY/USDであるため、CMEのCall / PutをUSD/JPYの通常のFXオプションと機械的に同一視することは避ける必要があります。

9.Gamma分析

今回のCME公開VOIデータにはImplied Volatility、正確な満期日時刻、金利が含まれていません。

そのため、以下のGammaは実測値ではなく、Black-76モデルによる仮定条件下のモデル推定値です。

IVについては8%、10%、12%の3シナリオを使用しました。

Strike USD/JPY Gamma @8% Gamma @10% Gamma @12%
6300 158.730 0.1332 0.1068 0.0890
6275 159.363 0.1958 0.1579 0.1321
6325 158.103 0.1820 0.1504 0.1276
6250 160.000 0.1408 0.1175 0.1002
6350 157.480 0.1172 0.1015 0.0884
6200 161.290 0.0787 0.0707 0.0630
6400 156.250 0.0717 0.0706 0.0664
6150 162.602 0.0481 0.0533 0.0545
6450 155.039 0.0416 0.0460 0.0474
6100 163.934 0.0331 0.0367 0.0388

Gammaは158.73円、159.36円、158.10円、160.00円付近で相対的に高く、現在値周辺にGammaが集中している構造です。

なお、WeeklyについてはCME公開XLSに正確な満期日が記載されていないため、Monthlyと同じ満期時間を仮定してGammaを算出することは避けています。したがって、今回のGamma表はMonthlyを中心としたモデル推定です。

10.GEX分析

GEXも実測値ではありません。

10% IVシナリオを基準に、Gamma × OI × 12,500,000円 × USD/JPY² × 1%を基本としてGross GEXを算出しました。

Signed GEXについては、分析上の仮定としてCallを+、Putを-としています。

Strike USD/JPY Call Gross GEX Put Gross GEX Total Gross GEX Signed GEX
6300 158.730 +1.514兆$ +4.052兆$ 5.566兆$ -2.792兆$
6275 159.363 +0.005兆$ +0.243兆$ 0.248兆$ -0.238兆$
6325 158.103 +0.237兆$ +0.019兆$ 0.255兆$ +0.218兆$
6250 160.000 +0.533兆$ +2.868兆$ 3.402兆$ -2.365兆$
6350 157.480 +2.276兆$ +0.870兆$ 3.145兆$ +1.274兆$
6400 156.250 +2.173兆$ +0.561兆$ 2.734兆$ +1.530兆$
6200 161.290 +0.977兆$ +1.828兆$ 2.805兆$ -0.869兆$
6150 162.602 +0.108兆$ +0.926兆$ 1.034兆$ -0.830兆$
6450 155.039 +0.780兆$ +0.177兆$ 0.957兆$ +0.637兆$
6100 163.934 +0.005兆$ +1.105兆$ 1.110兆$ -1.096兆$

今回のモデルでは158.73円のGross GEXが最大となっています。

ただし、これはCMEが公表しているGEXではありません。IV、金利、Forward、満期時間等を仮定したモデル推定値であり、特にSigned GEXの符号は分析上の仮定です。

11.現在のドル円市場で意識されやすいStrike

現在のUSD/JPYは158.95円前後です。

現在値から0.50円以内には、158.730円と159.363円があります。

158.730円は現在値から約0.22円下、159.363円は約0.41円上です。

この2つが現在値を挟む最も近い重要Strikeとなります。

さらに160.000円、158.103円、157.480円、161.290円へと建玉が連続しているため、単一Strikeよりも157.48~160.00円の価格帯全体を見ることが重要です。

12.Resistance / Support候補

上方向で意識されやすい価格帯

  • 159.363円:現在値から+0.41円、OI Change +391
  • 160.000円:Total OI 10,499、Put OI 9,102、OI Change +408
  • 161.290円:Total OI 13,489、Put OI 9,017
  • 163.934円:Put OI 9,524

下方向で意識されやすい価格帯

  • 158.730円:Total OI 18,192、OI Change +546
  • 158.103円:Total OI 6,896、OI Change +180
  • 157.480円:Total OI 10,457、OI Change +465
  • 156.250円:Total OI 12,753
  • 155.039円:Total OI 13,622

ただし、巨大OIが存在するからといって、その価格が必ずSupportまたはResistanceになるわけではありません。

また、CME商品はJPY/USD建てであるため、CMEのCall / Putの名称をUSD/JPYの通常のFXオプションと単純に読み替えることも避ける必要があります。

13.オプション建玉を相場分析に利用する際の注意点

今回の分析で最も重要なのは、OIの大きさだけで相場方向を断定しないことです。

OIは買い手と売り手の双方が存在することで形成されるため、CME公開OIだけでは、ある建玉がディーラーのLong GammaなのかShort Gammaなのか、顧客側の買いなのか売りなのかを完全には判定できません。

また、OI Changeが+500だったとしても、それを「新規買い」と断定することはできません。

今回のGammaとGEXについても、CME公開データにIVや正確な満期時間が含まれていないため、すべてBlack-76モデルによる仮定条件下の推定値です。

したがって、今回の分析では、

  • 実測CME OI
  • 実測CME OI Change
  • 前日ファイルとの差分
  • モデル推定Gamma
  • モデル推定GEX

を明確に分けています。

14.まとめ

今回のCME USD/JPYオプション市場で最も重要なのは、158.73円を中心とした157.48~160.00円の建玉集中です。

特に158.730円は、Total OIが18,192枚と今回最大であり、現在値158.95円からわずか0.22円しか離れていません。

さらにCME OI Changeは+546枚となっており、建玉規模と日次変化の両方で突出しています。

159.363円ではOIが+391枚、+28.90%と急増しており、現在値のすぐ上に新たな建玉集中が形成されています。

160.000円ではPut OIが9,102枚、OI Changeが+408枚となっており、158.73円とともに今回の中心的な価格帯です。

下側では157.480円のOIが10,457枚、OI Changeが+465枚となっており、156.250円、155.039円にも大きな建玉が存在します。

したがって、現在のドル円を見る際には、単純に「上がる」「下がる」と判断するのではなく、まず158.73円、159.36円、160.00円を中心とする価格構造を確認することが重要です。

今回の分析から見た重要ポイントを整理すると、以下のようになります。

  1. 158.73円が最大Total OIの最重要Strike
  2. 159.36円でOIが+391枚、+28.90%と急増
  3. 160.00円でOIが+408枚増加
  4. 157.48円でOIが+465枚増加
  5. 157.48~160.00円にOI増加とGamma集中が重なっている

今回見つかった158.73円、159.36円、160.00円、157.48円などの重要Strikeが、次回のCMEデータでどのように変化するのかは非常に重要です。

今後もCMEデータを継続的に取得し、前日比、前週比、Strike別OI、OI Change、Gamma、GEXの変化を追跡することで、ドル円オプション市場のポジション構造がどの価格帯へ移動しているのかを継続的に分析していきます。

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