来週の相場で注目しておきたいポイント

来週の相場で注目しておきたいポイントは三つです。特別国会の召集と施政方針演説、国内の消費者物価指数(CPI)、そして米国のGDP速報です。

株式相場の見通しですが、想定レンジは上限が約58,500円、下限が約56,500円と見ています。

今週末の米国株式市場は指数ごとにまちまちの動きでした。ダウ平均は小幅に上昇した一方でナスダックは下落し、225先物のナイトセッションは日中終値を上回る水準で推移しました。人工知能(AI)関連の懸念が上値を抑える一方、CPIの伸びが予想を下回ったことで利下げ期待が高まりやすい状況になっています。

当面は米ハイテク株の動向が不安材料になりやすいと考えられます。AI関連投資の過熱懸念は一時的に和らいだように見えますが、ハイパースケーラーの株価回復は鈍く、警戒感は残っています。AIに対する懸念が再燃する動きもあり、SaaSなど情報サービス分野の先行きに対する慎重な見方が強まってきています。CPIを受けて利下げ期待が優勢になっているものの、雇用統計など足元の景気指標を踏まえると早期利下げに対する懐疑的な見方も根強く、ハイテク株のトレンドを大きく変えるには不十分かもしれません。米ハイテク株の調整が長引けば、その影響は国内のAI・半導体関連銘柄にも波及しやすいと見ておくべきでしょう。

一方で、国内では政策期待の高まりが日本株の下支え要因になり得ます。18日に特別国会が召集される予定で、組閣の顔ぶれにサプライズがあるかどうかが注目されます。今回の衆院選での大勝を踏まえると、従来の派閥配慮が必ずしも必要とされない可能性があり、政治の安定感が増すことで海外投資家から相対的に安心感を得やすくなると考えられます。なお、衆院選後は想定に反してドル安・円高の動きが出ており、日経平均の上値をやや抑えている面もあります。また、一部報道ではロシア側が米政権との経済連携の一環としてドル受け入れ再開を示唆する提案を出しているとの情報もあり、こうした動きが現実味を帯びればドル相場の反転につながる可能性もあります。

国内企業の10〜12月期決算は13日までにほぼ出そろう見込みです。決算材料が一巡すると個別の手掛かりが乏しくなり、短期資金が低位材料株の値幅取りに向かう場面が増えることが想定されます。決算通過で業績変動リスクが後退した銘柄が増える中、3月末の配当権利取りを意識した高配当利回り銘柄への物色が活発化する可能性もあります。今回の決算では、特にAIやデータセンター向け投資の拡大で恩恵を受ける企業にポジティブなサプライズが目立った印象です。

来週の国内イベントでは20日にCPIの発表が予定されています。12月の数値が物価安定の目安である2%に近づいていたことを踏まえ、さらに伸びが鈍化するようであれば日銀の利上げ時期が後ろ倒しになるとの見方が強まり、株式市場には好感されやすいでしょう。米国では10〜12月期のGDP速報をはじめ多くの経済指標が発表される予定で、景気の強さを示すデータが続けば景気敏感株に再び注目が集まり、その波及で国内関連銘柄にも影響が及ぶ展開が考えられます。

為替市場については、来週のドル・円は下値を試しつつも下げ渋る展開が想定されます。米景気の減速懸念が広がる中で直近のCPIや小売売上高が市場予想を下回ったことから、20日発表の10〜12月期GDP速報の結果次第ではドル売りが強まる可能性があります。18日に公表される1月27〜28日開催分のFOMC議事要旨や、20日発表予定の12月コアPCE価格指数も注目材料となるでしょう。

一方で、自民党の衆院選での大勝を受けて積極的な財政運営が意識されやすく、財政悪化を懸念した円売り圧力は根強いと見られます。市場では一時的にポジション調整的な円買いも観測されましたが、高市政権が大幅な財政引き締めに転じる可能性は低いと考えられます。

なお、ドル・円は1月27日に付けた安値付近(約152円10銭)が短期的なサポートとして意識されているようです。この水準を明確に下回るような動きになれば、150円台を意識した相場展開に移る可能性がある点にも注意が必要です。