カーグ島を巡る緊張激化―米国の占拠検討とイランの迎撃態勢
ここ数週間の動きとして、イランはペルシャ湾北東部に位置するカーグ島において、防衛力の強化を進めていると複数の関係筋が伝えています。具体的には、防空システムの増強に加え、追加の軍事要員を配置し、さらに海岸線を含む各所に対人地雷や対戦車地雷などを設置するなど、侵攻を想定した備えが進められている状況です。情報関係者によれば、携帯式防空ミサイルシステムも新たに持ち込まれているとされています。
一方で、米国側ではトランプ政権がこの島への軍事介入、すなわち米軍による占拠作戦の可能性を検討しているとされます。カーグ島はイランの原油輸出の約90%を担う重要拠点であり、その掌握を通じてホルムズ海峡の再開を促す交渉材料とする狙いがあるとみられています。
ただし、この構想には慎重な見方も出ています。米政府関係者や軍事分野の専門家の間では、上陸作戦を伴う地上戦となれば、多数の死傷者が出るおそれがあり、極めて高いリスクを伴うとの認識が広がっています。カーグ島は多層的な防御体制を備えており、攻略は容易ではないと考えられています。
また、米国の政策判断に近い関係者の一部からは、そもそもこのような作戦を実行する必要性について疑問の声も上がっています。仮に島の占拠に成功したとしても、それだけでホルムズ海峡の問題や、イランが持つ国際エネルギー市場への影響力といった根本的な課題の解決には直結しない可能性があるためです。
こうした状況の中、イラン国内からも強い警告が発せられています。イラン国会の議長は25日、同国の「敵」に対して島の占拠を試みないようけん制しました。さらに、地域内のある国が関与しつつ、イランの島の占拠準備が進められているとの情報にも言及し、すべての動きは軍によって監視されていると強調しています。そして、一線を越える行為があれば、その関与国の重要インフラが無制限かつ容赦なく攻撃対象になると警告しました。
なお、カーグ島の面積は米ニューヨークのマンハッタンのおよそ3分の1程度とされます。ペルシャ湾の北端に位置し、ホルムズ海峡からはやや距離があるものの、イランの主要な石油施設に非常に近い場所にあります。米軍の作戦計画に詳しい関係者によれば、仮に占拠を実行する場合、大規模な上陸部隊の投入が不可欠になる見通しです。

