米中通商協議、輸出規制緩和へ枠組みで合意

細かい点に注目すれば気になる部分もあるかもしれませんが、市場の反応が鈍いことから考えて、この結果はある程度予想されていたものと思われます。

結果自体は明らかに前向きなものですが、S&P500先物の動きが鈍く、人民元や豪ドルにも大きな変化が見られなかったことから、ジュネーブでの合意に至る流れはすでに織り込まれていた可能性があります。
特に、アメリカ向けのレアアース(希土類)の供給量や、それに伴うアメリカ製半導体の輸出自由度など、今後はそうした細かい点が重要になってくるでしょう。

現在の状況では、通商合意に向けた何らかの進展が示されれば、市場には好材料として受け止められる可能性があります。詳しい内容はまだはっきりしませんが、両国が協議を続けている限り、市場は前向きに評価しそうです。

とはいえ、包括的な通商合意に至るのは、なお非常に困難で、相当な時間を要すると見られます。このような広範な合意は、通常まとまるまでに何年もかかるものです。そのため、今回ロンドンで話し合われた合意の枠組みが包括的なものになるとは考えにくい状況です。

一時的に緊張が和らぐ可能性はありますが、数か月以内に再び緊張が高まることは避けられないでしょう。ジュネーブでの合意が発表されて以降、両国の首脳間の信頼関係が損なわれているのは明らかで、今の段階で安定した米中通商合意が近づいていると考えるのは、まだ早すぎると思われます。

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